第19話「残る1つがマネー」

第18話までお読みいただいた方は室井という人物はいつも冷静で失敗をしない人というように思われるかも知れないが、全くそんなことはない。

上京したての学生時代はアルバイトの連続で学業も疎かになり1年留年し、やっと大学を出ることが出来た。

手に職を持つことが独立への早道を考えて次から次へとやりたいことに手を付けてアルバイトでやっと貯めたお金を入学費用や1か月の授業代の為に無駄に使ったものである。

例えば、山野愛子美容学校へ入ったが3日で辞めた。渋谷の彫金学校ではあまりの不器用さに先生も呆れてしまったようだ。

ここは1週間で辞めた。次に代々木の経理学校へ入ったが、1か月くらいだろうか、1番前の席で頑張ったが、やはり無理だった。

それならば特許を取ろうと、「パッと背中洗い」等いくつか作ったが、調査不足と安易な発想でそれも上手くいかず、自分は能力がない、何をやっても駄目だと思ったりしたが、若者の特権か、腐ってしまうことはなかった。

そうこうしているうちにアルバイトで喫茶店やバーのカウンターで働いている時に自分は人と話をすることが好きなのと、人を観察することに興味があることに気が付いた。

これは営業というより、交渉事が好きなのではと考えたが、弁護士になるには大変な勉強を必要とし、何より勉強は嫌いだ。

司法試験に受かるわけはないと思った。しかし、お金というものへの関心も人より強いこともあって、先輩とやったプロモーターの仕事が行き詰まり、取立人に脅された時にこれは追われるより追う方が面白いと考え金融業の世界に入ったのだ。

世の中は上手くできているものだ。やっと自分の求める世界を見つけたと毎日が充実して、それからはまあまあ勝ち組の中に入れたということだ。

10人10色というが、何も得意なものを持っていないという人は少ないと思う。

高校時代の同級生を思い出しても、駆け足の早い奴、歌の上手い人、勉強の出来る人、リーダーになる素質のある者と何かを持っているものだ。

ただ、それが社会に出た時自分にとってどのような武器になるかが問題だろう。皆がオリンピックの選手や歌手として成功するわけにはいかない。

しかし、生まれたからには生きなければならないということは確かだ。適材適所という言葉がある。自分の生きる道を早いうちに見つけた人は幸せだろう。

何の仕事を目指しても辛いことはあるし、厳しい修業の時期もあるが、好きなことならば結構耐えられるものだ。

現在は大企業に勤めたら一生安心だなどと考える人はいないだろう。中小企業ならなおさらだ。じゃあ、どうする。

やはり昔から言う潰しの効く人になることだろう。手に職を持つ、独立可能なスペシャリストになる。

一匹狼的にフリーでも食っていける人間になる。コミュニケーションを大切にし、仲間を作りギブ&テイクが出来、人を紹介される人になる。

しかし、どんなビジネスでもある程度の継続と信頼されるという誠実さと、周囲を安心させる前向きな明るさは最低条件だろう。

人工知能やキャッシュレス・スマホ等が使われる社会では便利でスピードはあるが、基本となる愛・信頼・道徳などは置き去りにされやすい。だから、人との繋がりや顔を見て会話を大切にする商いは必ず需要がある筈だ。

私が10代から30代位までに悩みや辛いことがあった時に力を与えてくれた言葉や会話を挙げておく。

中には私自身が日常に使っていた文章もあり、まるで反対に思える言葉に矛盾を感じるものも中にはあるかも知れないがいずれも人の血と汗と情熱と喜怒哀楽を秘めたものだ。

好きな言葉というものは、自分の人生を豊かにし、力を与えてくれるものならば、その時折に上手く自分に当てはめていった方がいい。

好きな言葉でもそれに縛られてしまっては柔軟性に欠けてしまう。

今やコンピューター社会。ロボットまでが人々の前面に出て来て人間の生活を助け、そして人の仕事を奪っているのだ。

一番大切なのは自分を力づけてくれて、生きていてよかった。同じ考えの仲間がいるのだという勇気を持つことだ。

★ 友、皆味方にあらず、我一人人生という怪物に取り組み、頼れるもの我が身のみ。ひとり唇を噛む。(19歳春)

★ 貧困が玄関から入ってくると、愛は窓から逃げてしまう。(シェークスピア)

★ いかなる特性、いかなる危険を伴おうとも全ての危険の中で最も大きな危険は何もしないということである。(ジョン・F・ケネディ)

★ 40歳を過ぎた人間は自分の顔に責任を持たなくてはならない。(リンカーン)

★ どんなことがあっても人生にイエスということ。どんな不運に見舞われても人生を愛し、肯定するのよ。(映画監督レニー・リー・フェンジュタール)

★ 自分の持っているお客の中で一番不満のある人が自分を成長させてくれる。    (ビル・ゲイツ)

★ 人は誇れることを成し遂げて誇りを持つことが出来る。
(ドラッカー)

★ 人は儲かっている時は過剰なまでの楽観主義です。でも、忘れてはいけません。大損するときもあるのです。本来お金とは一か所に留まらずすぐに動いてしまうものなのです。(ノーベル賞経済学賞 ジョヤス・スティグリッツ博士)

★ 世界中の人々の必要を満たすことは出来ても、1人分の欲を満たすことは出来ない。(マハトマ・ガンジー)

★ 最も有利な状況と最も不利な状況とは同じように見える。

★ 電話でしてはならない。文書ではなおいけない。
顔を見せながら言え。

★ 将帥の大胆には目的があり、計算が伴わなくてはならない。興奮に駆られた驀進ではいけない。

★ 信長は一般の世評と反対に長期計画的で実に細かく計算できる頭脳を持った人物である。

★ 奇ばかり考えて正の努力を怠ると「策士、策に溺れる」ことになり、正ばかりに夢中になって奇に着意しない者は「馬鹿正直」と言われる。

★ 苦境に陥った時、その真相を直視出来る勇気のある者には、適切な対策が思い浮かんでくる。慌てたり、目を覆って現実とその原因を見極める事の出来ない者には活路は現れない。困難より逃避しようと焦ってはならない。

★ 勇気には個人の危険に対する勇気と責任に対する勇気とがある。

★ 戦うべきと戦わざるとを知る者は勝つ。
恐怖感を持つ人間は、善いことよりも悪いことを信じやすく、悪いことは誇大に考えやすい。

★ 裁判は5人の証言よりも1つの証拠だ。

★ 不利なことを雄弁・名文で報告してはならない。

★ 栄光は最後の勝利者に与えられる。途中の得点の総和が敵に勝っていても何にもならない。(クラウゼウィッツ)

★ 後でやろうと思ってもやったためしがない。やるならばいつでも今だ。(相田みつお)

★ 一の信念は百の知識を撃倒する。

★ チャンスは周到な準備をした者のみにやってくる。

★ 少しの欠点も見せない人間は愚か者か偽善者である。

★ 我慢はしているけれど努力はしていない。我慢は現状維持的である、成長するためには努力を惜しまないことだ。

★ あなたは二流、私は一流。だけど心配しないで他の人は三流だから。(M・K)

★ 自転車に乗って笑うより、ロールスロイスに乗って泣く。

★ 順境は友を作り、逆境は友を試みる。

★ おふくろを思い出すよじゃ半人前、さらりと忘れりゃ一人前、とは言うものの、懐にドスを握って啖呵を切る。その声の中におふくろがいる。(サトウハチロー)

★ 正しいことをするのは難しくない。何が正しいかを見極めるのが難しい。

★「自由とは自分を規制することによって得られる最高の贅沢である」

★ ケネディ大統領選の時のケネディの父とジャクリーヌの会話

父「大統領選が終わるまでは離婚をしないでくれ。息子が大統領になったら別れてもいい。その時は〇のお金を君にあげよう」

J「貴方は誰でもお金で動くと思っているんですか?」

父「そうだな。私は例外を見たことがない」

J「それでは、私がその例外になります」

★ 新選組 沖田総司と土方歳三の会話
沖「土方さん、これから新選組はどうなるのでしょう?」

土「沖田、どうなるだろうとは女・子供の言う事だ。男はどうするかだ」

★ 流山で近藤勇と土方歳三の別れ
「歳、時は過ぎたよ。俺たちの頭の上を時代は通り過ぎたよ。近藤も土方も古い時代のみなし児だよ」

反対する歳三に、あたたかく静かに

「お前は新選組を作った。その局長である俺も作った。京都にいた俺は今になって考えると、本当の俺ではなかったかも知れない」

すがり止める土方に

「長い間の同志だった。だが、最後には別れてもそれぞれ信じた道を歩もう。男は何に美しさを感じるか、その違いだ。俺を自由にさせてくれ。歳、長い間世話になったな」近藤はいさぎよさを、土方は最後まで闘うことを選んだ。

★ 金は臆病だということをもう1度見つめて欲しい。
人生は臆病なくらいがいい。
臆病だから、負けないための周到な準備をする。
臆病だから、余計な物事に軽率に首を突っ込まない。
臆病だから、自分が責任が取れないことを安請け合いをしない。
臆病だから、完敗しないうちに手を引いて、次の戦いに備える。
臆病だから、武器をいくつも持たない。自分の最も使いやすい武器に絞る。だから、闘うときに迷わない。

武器はひとつにする。それしかない。だから、武器を手に取るのが早い。たった一つの武器だ。使い勝手も熟知している。人生は不器用なくらいがいい。

★ 定かではないが、徳川家康が言ったといわれているつぎの言葉がある。
「人生は重き荷物を背負いて坂道を登るがごとし……中略
及ばざるは過ぎたるよりはよし」
肝に銘じたい。マネーの世界に七転び八起きはない。

★ 「禍福はあざなえる縄のごとし」
とあるが、何が良くて何が悪いかなど、一瞬の時間では分からないのは当たり前だ。しかし、自分の人生で駆け引きはあって当たり前だが、裏切りをせずに筋を通して生きていれば、必ず道は開ける。

そして、思わぬ時にいい出会いやチャンスが来る。

周囲に惑わされることなく、自分の信ずる毎日を楽しみながら努力する。インスタント食品の味がいくら良くなったといっても、手作りのおふくろの味には叶わない。

人生は手作りのおふくろの味だ。それぞれの人生、それぞれの味、それぞれの幸せの尺度と価値観。そして、そこには会話がなければならない。会話は命だ。おふざけ番組の意味のない虚しい馬鹿笑いをするのは会話ではない。

★ お金が稼げたらいいですね。それも幸せのひとつでしょう。
だけど、もうそれだけが目的では寂しいかも知れません。

★ 人は楽しむために金を使うことは知っていますが、金を稼ぐ過程が楽しいということを見つければより幸せです。

但し、好きなことをやっていくためには強い精神性が必要です。(ジョージ・ルーカス)

★ 人生には3つの大事あり、
1つは夢、もう1つは勇気、残る1つがマネー。(チャップリン)

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